2016/04/18

2016年 4月18日 - 湊

「東北合同五行歌会 in 石巻」が4月16~17日、石巻市ほかを会場に開かれ、主管する石巻五行歌会の一員として、各地から訪れた60人のお世話役などに、わずかながらも汗を流したつもりでいる。

メーン会場となった「市総合福祉会館みなと荘」は、市街地から内海橋を渡り右折してすぐ左側にある。そこの地番は「八幡町1丁目6-1」。すぐ隣に「拝幣志神社」があり、後方にはかつて砕石現場があった五松山。昭和40年代を知る人には八幡町角の交通渋滞と採石場の粉塵がひどい場所という記憶が消えないかもしれないが、今はそのどちらもない。

高貴な人が埋葬されたと推測される「五松山遺跡」もあるほか、近くに「牡鹿郡簡易水産学校(現在の宮城水産高校)跡地」の標識が建ち、明治のころは文教地域でもあった。そこに、東日本大震災で被災した湊町1丁目地内の「みなと荘」と湊幼稚園、湊保育所が移転した。二つの幼児施設は「湊こども園」と名称を変え、同じ建物内に入った。

建物は鉄筋コンクリート造り3階建て、総床面積2,900㎡。1階にこども園。2階は子育て支援センターや図書室など。3階にみなと荘という間取り。総工費10億9000万円を投じオープンしたのが、昨年の春だった。

東北合同五行歌会は3階の全室をほぼ貸し切って行われた。全体会では、東日本大震災犠牲者への黙とうの後、五行歌の創始者である草壁焔太主宰が「歌の力が国の力」をテーマに講演した。

草壁さんは海外での五行歌普及活動の体験から「漢字、かな、カタカナの日本語だとより自在に個性が出る歌をつくれる。海外に行ったら日本の文化の素晴らしさが分かった」。また、各地に有名歌人、俳人の石碑が建っていることについて「万葉の歌人たちから、西行、芭蕉、啄木など観光の対象は詩人。歌を作り、言葉を大事にしてきた日本人の精神は、モノづくりにも『見返りを求めず、いいものを作る』につながっている。それが、国の力になっている」と結んでいた。

講演の後、6グループに分かれて「小歌会」が行われた。歌会グループ名は「勝山」「伯楽星」「墨廼江」「一ノ蔵」「浦霞」「日高見」で、いずれも県内の日本酒銘柄。小歌会ではそれぞれが気に入った歌を選び、感想を話し合った。表彰式では全員で選んだ五席までと主宰が選んだ「草壁賞」(2点)が表彰された。

その中で、「一席で草壁賞」というダブル受賞を得たのは下記の歌。石巻の「萌子」さんの作である。

 この世で
 一番清しい匂いは
 剥いたばかりの牡蠣
 ぜんぶ
 海になる

夜は石巻グランドホテルに移動して懇談会。遠くは福岡県からの歌人(うたびと)もいて、九州・熊本での大地震を気遣いながら交流を深めた。翌日は、大型バスをチャーターし「五行歌人 被災地を往く」と銘打っての吟詠会。大川小学校から雄勝町、女川町を経て、サン・ファン館を巡った。


みなと荘は主に3階。一階には「こども園」



宮城水産高校の前身の「牡鹿郡簡易水産学校跡地」を示す標識。山には名残りのサクラも



みなと荘入り口付近の石材店事務所前に「津波はここまで」の表示。地面からだと3メートルにも



草壁主宰による講演は「歌の力が国の力」がテーマ。熱心に聞き入る歌人たち



東北合同五行歌会の表彰式



多くの犠牲者を出した大川小で。宮沢賢治をテーマにした壁画(平成13年度創業作品)



女川町の「高政」で、被災体験の話を聞く


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