2016/04/12

2016年4月12日 - 中瀬

中瀬には二つの神社があった。一つは「2016年4月7日 - 中瀬」で紹介した「作田島神社」で、もう一つは中瀬の北端に鎮座していた「秋葉神社」。残念ながら、その場所に神社の姿はない。地盤沈下や津波で破壊された。一部残骸も、水没した危険区域とあって取り除かれていた。

この神社の例祭には子ども神輿が街に繰り出された。中瀬が石巻小学校学区であることから、主に橋通りやアイトピア通りを練り歩いたことを覚えている。知人からいただいた写真には鳥居の向こうに小さな石の祠が二つ並んでいた。懐かしい風景だ。畳屋さんがあったし、和食の料理店も営業していた。

神社脇の河岸に昭和30年代の初めごろ、「浮きプール」があった。プールがなかった石巻小が児童の水泳指導のために生み出した「北上川を活用にした浮きプール」である。
大きさは8m × 12~13mぐらいだった。プールサイドには転落防止の柵も取り付けられていた。一度に30~40人が入れたらしいが、川の流れがあって、タイム計測の競泳大会は無理だったようだ。

石ノ森萬画館の隣に「水辺の復興・みらい館」がある。入ってすぐ右手に「マンガで見る川村孫兵衛重吉の北上川の改修」が目に入った。長州藩の孫兵衛が伊達政宗に見いだされ、仙台藩の多くの土木工事を手掛け、北上川改修で石巻の恩人になるまでを漫画で振り返っている。

先ごろ、石巻市は長州藩があった山口県萩市と友好都市の締結を結んだが、それも孫兵衛による400年前の北上川改修の縁。「みらい館」では新北上川開削や堰の設置など北上川流域全体の改修の歴史や、川に寄り添った人々の暮らしなどをパネルで紹介している。入場無料。

萬画館の近くにある桜が満開だ。石巻日日新聞の11日夕刊は「中瀬の桜 5年越しの復活」「津波、塩害乗り越え満開」という大きな見出しで一面トップ記事。震災前約90本あったうちの唯一残った桜の木で、一時は伐採も考えたというが、同館スタッフの努力でよみがえった。「見ごろが今週中」という期間限定ながら一見の価値あるサクラだ。


中瀬の北の端が水没。「秋葉神社」も「小料理」やもその痕跡もなくなった



「秋葉神社の鳥居。その向こうに小さな石の祠が二つ並んでいた。例祭には子ども神輿が街を練り歩いた



 浮きプールは村上造船で造った。作業を内海橋の上から見守る人も(「みやぎ北上川今昔」より)




「水辺の復興・みらい館」内



大震災で枯れたと思っていたサクラがついによみがえった。しかも90本中のわずか一本。「5年越しの復活」だという



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