2016/04/07

2016年4月7日 - 中瀬

石巻市の風景で代表的な何枚かを挙げるとすれば、「日和山から望む中瀬を中心に置いた市街地」が真っ先に浮かぶ。石巻の造船発祥の地。藩政時代は北上川の舟運と江戸を結ぶ東回り航路の拠点の港として栄えた石巻の産業の屋台骨となった地区。それは、昭和40年代後半に漁船が鉄鋼船ほかに代わるまで続いた。その中瀬を訪ね、ぶらり散策した。

駐車場から降りたら、かつて民間が造成した公園敷き方面にのぼり旗が立ち「石巻カキ小屋」と表示。男性が手を振り「うまいカキだよ~う」と叫んでいる。ビニールハウスのカキ小屋の前で営業する「焼きいもやさん」だ。昼下がりで「次に家族で来るから」と、小屋へは入らなかったが、平日の午後というのに若い人たちが中でカキをうまそうに頬張っていた。

中瀬は南北に伸びた中州で、その距離は700m程度。ここに2つの神社がある(あったというべきか)。その一つは南側(下流)の「作田島神社」。以前は「キツネに似た狛犬」や鳥居の残骸などが散乱していたが、キツネ像は一対になってきちんと並んでいたが、お社(やしろ)というか祠(ほこら)の形跡はない。鳥居やお社に至る参道もなくなっていた。ただ、トラックに積むコンテナが脇にあり、「仮社殿」の表示。住宅のすべてが消えた地域の中に残る、住民の熱い信仰心を感じた。

神社の近くに陸から川に通じるスロープがあり、そこに鉄路が二本。進水式で使われたスロープ跡で、船を係留する太い鎖も散乱。それで、かつて造船で栄えた地域の一端を知ることも可能か。「サン・ファン・バウティスタ号(復元船)」は中瀬に当時あった村上造船所で建造し、平成5年5月22日に進水している。前年の平成4年10月7日には、天皇皇后両陛下が進水前の同船を視察していることを思い出した。


「仙台石巻湊眺望之図」(部分)で1824年ごろ、今は大崎市松山出身の小野寺鳳谷の作で、ダイナミックに石巻の姿を描いている。木版画



「カキ小屋」は開業4年。人気スポットに。その脇に「焼きいも屋さん」



「作田島神社」の鳥居と参道付近



「作田島神社」の狛犬も一対になってそろったが、社殿はない



鉄路が川に向かう進水式用のスロープ跡。造船所の名残り


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