2016/05/13

2016年5月13日 - 石巻市 湊

石巻市湊地区を歩いた。地区内では約400人近くが犠牲となった。それは、北上川の川沿いを歩いてよく分かる。被災した家が壊され、公共用地としての買収も進み、空き地が広がった。護岸工事や高盛土の道路建設が所々で始まり、5年たって「復興まちづくり」はいよいよ動き出したという感じがした。復興の推進役は3つの土地区画整理事業で、まだ緒に就いたばかり。どう生まれ変わるのか形が分かるまで、もうしばらくはかかりそうだ。
 
湊小学校から国道398号線をまたいで北上川河岸に向かった。1974(昭和49)年7月末まで、この付近に石巻魚市場があった。周辺には中小の水産加工場や廻船問屋など漁港関連業者が軒を並べていた。水揚げを終えた漁船は対岸の内海橋下流付近に係留され、市街地の小柳町を中心へ繰り出す漁船員で、石巻の夜はにぎわった。

そのころ、湊地区も当然活気があった。川岸付近に立つと、「栄枯盛衰」「兵どもが夢の跡」の言葉が浮ぶ。「かわまちづくり」という計画もあるが、平成30年度までに川の両側に最大7.2mから4.1mの堤防が出来上がるという。

河口に近い川口町の鈴木造船所には3隻の船がドック入りし、忙しそうだった。ここも、堤防工事で影響を受ける。ヤマニシがある西浜地区への工場移転と建設の費用は、「造船復興みらい基金」からの補助で進んでいる。地元新聞によると、総事業費約30億円のうち20億円が基金からの補助。今年秋には完成の予定だ。

3つの土地区画整理事業とは、湊小前の「湊北」(14.9ha、計画人口800人)と、河口に近い「湊西」(40.4ha、計画人口0人)、それに湊中を含めて東は松並町境までの「湊東」(29.6ha、計画人口1400人)。計画人口ゼロの「湊西」には高盛土の道路が走るほか、緑地・公園ゾーンも計画されているというが、形が見えるのはもっと先。「湊東」は中学校周辺で、立て看板には「潮風・ないわい・未来を奏でるまち~みなとひがし~」のキャッチコピーが記されていた。

湊中隣の旧湊第二小学校は平成26年3月に湊小学校と統合した。廃校になった校舎だが、まだ現存。校地内に3つの石碑が並んで建っていた。左は校歌。

「海あり/きらめく波くだけ/松林が潮風に鳴るよ(中略)ほら海が/太平洋が呼んでいる」

の歌詞が刻まれていた。作詞は石巻市出身の直木賞候補作家、草川俊。作曲は1964(昭和39)年の東京五輪の行進曲や夏の甲子園高校野球大会歌「栄冠は君に輝く」を作った古関裕而とあり、驚いた。

中央は「閉校記念碑」。右には昭和31年11月に建立した「開校記念碑」が建ち、「昭和29年4月9日歓喜の開校式を挙げた」と刻まれていた。


40数年前にこの付近に石巻魚市場があった。関連企業が軒を並べていた。対岸の市街地歓楽街は乗組員でにぎわった。




家々が軒を連ねていたが、今や…。寂しい風景に変わった。



大型の重機も接岸し堤防建設が進んでいる。



3隻の船がドック入りした川岸の造船所。西浜地区への移転が決まっている。



旧北上川の河口付近の堤防工事。



旧湊第二小と湊中周辺も土地区画整理事業の造成が進んでいる。



湊中周辺はこう変わる。「潮風・なりわい・未来を奏でるまち」になるという。



校歌と開校、閉校の記念碑が3つ建つ。


0 件のコメント:

コメントを投稿