2016/05/09

2016年5月9日 - 東松島市 宮戸

東松島市宮戸で大きな津波に襲われた室浜、大浜、月浜地区に行ってみた。護岸工事はほぼ終わったが、浜辺に近いところにあった家はなく、空き地が広がっていた。震災前にはどの浜も海水浴場だったが、室浜と大浜は今年も遊泳禁止になりそうだ。ただし月浜はトイレや休憩所を整備し、震災前とほぼ同じように夏休み期間フル営業の海水浴場を開く予定となった。

室浜では漁港の防波堤がかさ上げされていた。浜ではノリのいかだの撤去もほぼ終わり、「これからは刺し網漁が主かな」と漁師さん。小船による漁ではカレイ、カニ、エビなどを獲るという。海水浴場だった場所は砂浜の整備がなく、海開きは無理。大浜の海水浴場は週末になると、家族連れなどが遊びに来ているが、海水浴場としての付帯設備などの整備は行われていなかった。

月浜は震災2年後の2013年と14年に夏休みの日曜日限定で海水浴場を開いてきた。期間中、6000人、7000人の人が訪れ、家族連れなどに喜ばれたが、昨年は護岸工事の進捗具合などから休業となった。今年は海水浴客を迎い入れる施設等も整備し、準備万端整えて7月17日~8月21日に毎日営業することになった。

海水浴場の入り口付近には「月浜民宿街 WELCOME TSUKIHAMA」のアーチ看板が設けられ、歓迎ムード。海水浴場が震災前と同じように営業することで、5軒ある民宿も観光シーズン入りで張り切っているという。

月浜には200年以上も続けられてきた正月の鳥追い行事「えんずのわり」がある。20年ぐらい前に取材したことがあるが、今年も行われたという。その舞台となる五十鈴神社と子どもたちが合宿する岩屋を訪ねた。津波に破壊された岩屋内部が修復され、今年も1月11日から15日まで子どもたち(小2~中2年の男子)がここで寝食を共にし学校に通いながら、14日夜の各戸訪問の行事に備えてきた。

14日は2mほどに切った松の木に擬宝珠(土地では「ぎぼし」と呼ぶ=ぎぼうしゅ)を付けた棒を待った子どもたちが、次のような口上を唱えて家々を回るという。
「えーえーえー、えんずのわりとりょうば からすわってすをつけて たぁどうかあみさぁ ただみーいーれーで えんどうがすんまさながせ えーえーえー」(意地に悪い鳥を頭割って塩付けて たとう紙にたたんで入れて 遠い島に流せ)。国指定の重要文化財で、震災後もずっと続けられているが、浜の少子化はまちば以上に進み、その点での存続の危機に直面している。


室浜漁港。左手のコンクリートの防潮堤が、かさ上げされた。



室浜、大浜、月浜の浜辺には空き地が広がっていた。



週末には家族連れなどが、砂浜で遊ぶ大浜海岸。



歓迎のアーチ看板で観光客を迎える月浜。



月浜の砂浜も整地され、階段状の防波堤も完成。準備万端整えて夏休みフル稼働の海水浴場へ。



トイレも新しく。



屋根が波型の休憩所が出来上がった。



鳥居の上が五十鈴神社。津波は神社敷地内まで押し寄せた。



鳥居の脇にある岩屋。ここに子どもたちがこもる。寝食を共にして学校に通いながら、14日夜の行事に備える。



岩屋の中には炉端がある。ここで食事をして、作戦を練る。脇に板の間に布団を敷き寝るという。


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